今日、サービス提供されているモバイルルーターの9割以上はデータ通信量無制限を謳いながらも3日10GB上限や月100GB上限などの制約が当たり前につきまとってくるのが現状だ。
そうした中、4月に次世代型通信技術クラウドSIMを用いた完全無制限のモバイルルーターがNOZOMI WIFIよりリリースされた。今回は特別に、NOZOMI WiFiを提供する株式会社フェティア様より無制限プランの試機をご提供頂いたので通常使いでストレス無く利用することができるか検証していく。
目次
「NOZOMI WiFi」について
「NOZOMI WiFi」は株式会社フェティアが提供するモバイルルーターのレンタルサービス。
契約プランには1週間、2週間プランの他、100GB、200GB、無制限が存在する。各プランに応じて、貸し出されるルーターは異なってくるが使用回線は全てSoftBankとなっている。各プランの料金は次の通り。
データ量 | 無制限 | 200GB | 100GB |
初期費用 | 3,980円 | 3,980円 | 2,980円 |
月額料金(通常価格) | 5,980円 | 4,480円 | 3,980円 |
月額料金(キャンペーン価格) | 4,480円 | 3,980円 | 3,480円 |
これに加え、初期費用の3,980円とNOZOMIプロテクト(350円)またはNOZOMIセキュリティ(500円)が契約時に発生する。なお、NOZOMIプロテクト及びセキュリティは初月のみ必須で以後解約が可能となっている。
「クラウドSIM」とは
そもそも、クラウドSIMとは何だろうか。通常、データ通信を行うには物理的なSIMカードが刺さっていることが一般的であるがクラウドSIMはひと味違う。
文字通り、クラウドサーバー上でSIMカードの管理が行われているもので、速度制限が掛けられる前に自動的に新規SIMへと切り替えを行う仕組みとなっている。そのため、従来のモバイルルーターにありがちな3日制限や月上限のような速度制限施策に苦しめられる心配が無くなるのだ。
モバイルルーター「U2」のスペック
無制限プランで貸し出されるモバイルルーター「U2」のスペックは次の通り。
デバイス名 | U2 |
インターフェース | USB2.0 |
サイズ | 幅127.0×高さ65.7×厚さ14.2mm |
重さ | 約151g |
通信方式 | 4G:FDD-LTE(900MHz/1.7GHz/2.1GHz) 3G:W-CDMA(900MHz/2.1GHz) |
通信速度 | 4G LTE(FDD-LTE):下り最大150Mbps / 上り最大37.5Mbps |
連続通信時間(バッテリー) | 約13時間 |
同時接続 | 5台 |
Wi-Fi IEEE | 802.11b/g/n |
平日と土曜日のスピードテスト結果
今回は、平日と土曜日の2パターンで渋谷にてSpeedtest.netを用いスピードテストを行った。結果は次の通り。
平日
通信時間帯 | 通信速度 |
---|---|
9時 | ダウンロード:14.7Mbps アップロード:19Mbps PING:33ミリ秒 |
12時 | ダウンロード:21.3Mbps アップロード:33.7Mbps PING:32ミリ秒 |
18時 | ダウンロード:21.3Mbps アップロード:22.7Mbps PING:26ミリ秒 |
23時 | ダウンロード:47.5Mbps アップロード:14.7Mbps PING:28ミリ秒 |
土曜
通信時間帯 | 通信速度 |
---|---|
9時 | ダウンロード:16.9Mbps アップロード:22.7Mbps PING:35ミリ秒 |
12時 | ダウンロード:29.3Mbps アップロード:26.7Mbps PING:30ミリ秒 |
18時 | ダウンロード:48.1Mbps アップロード:31.7Mbps PING:30ミリ秒 |
23時 | ダウンロード:52.1Mbps アップロード:40.7Mbps PING:29ミリ秒 |
平日、土曜問わず9時頃の通信速度は15Mbpsほどの通信速度しかでない結果となっているが最も通信頻度の高くなるであろう18時から23時においては20-50Mbps台とストレスフリーな速度を弾きだしている。
また、次のコンテンツにて紹介している方法でDNSを1.1.1.1に変更し通信の最適化を行っている。

固定回線としての利用も可能なレベル
今回、「NOZOMI WiFi」のダウンロード/アップロードスピードを行った限りでは、固定回線と遜色ないレベルとなった。
通信データ量は、Web上より確認可能で1日ごとにリセットされる仕組みとなっている。1日中、ChromeCastでAbemaTVを再生していても規制がかかることはなく固定回線としての利用にも十分だ。

また、インターネット接続時の反応時間を表すPINGの値は接続時間帯によって疎らで24〜34ミリ秒を記録する形となった。PINGはサーバーへの応答時間を示すもので、数値が小さいほどタイムラグが少ないことを意味する。
YouTubeの1080p動画や4K動画の再生テストも行ってみたが問題ないことを確認済だ。オンライゲームに於いては確認を行っていないものの、通常30ミリ秒程度であれば問題なくプレイできるので余程ハードなタイトルでない限りスペックとしては十分と言えよう。
各モバイルルーターのスピードテスト平均値
- So-net WiMAX:ダウンロード 17Mbps/アップロード:3.5Mbps/PING:40ミリ秒
- UQ WiMAX2+:ダウンロード 17Mbps/アップロード:3.1Mbps/PING:60ミリ秒
- Space Wi-Fi:ダウンロード 21Mbps/アップロード:22Mbps/PING:26ミリ秒
対応エリアは「SoftBank」回線全域。屋内でも快適通信
「NOZOMI WiFi」では、SoftBankの回線を利用しているため広域での通信が可能となっている。
また、WiMAXの場合には周波数帯が2.5GHzのみの対応となっているがSoftBank回線を利用している同Wi-Fiでは5つの周波数に対応してるためより安定して電波を拾うことが可能となっている。
キャリア/周波数帯 | 700MHz | 900MHz | 1.7GHz | 2.1GHz | 2.5GHz | 5GHz |
WiMax/WiMax 2+ | ○ | ○ | ||||
SoftBank | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
周波数帯が大きいほど通信速度は向上する一方で、直進性が高いことを意味しており、ビルなどの障害物が多い都内ほど接続が安定しなくなってくる。NOZOMI WiFiでは、複数の周波数帯に対応することによってその問題を回避してくれる。
強いてデメリットを上げるならばSIM切り替え時の待ち時間のみ
NOZOMI Wi-Fiは通信データ量無制限を実現するために、速度制限が掛けられる前に自動的に新規SIMへと切り替えを行う仕組みが取られている。そのため、切り替え時は一時的に通信が遮断されてしまうのでそのあたりだけ注意が必要と言えよう。
ただし、再接続までの時間は長く見積もって1分程度なのでデータ通信量を気にして生活するよりは格段と気持ちが楽になることは間違いない。
また、通常クラウドSIMは国内、海外問わずに利用することができることが強みの一つであるが同Wi-Fiでは国内での利用のみを想定しているため渡航先での利用は出来ない設定となっている。
モバイルルーター「U2」は海外での利用を目的に作られた製品であるが故に、初期設定では不意なアップデートを行わぬようApp StoreやiCloudの通信を遮断している。これは、6月上旬に予定されているアップデートで回避できる予定とのこと。
同アップデートが実施されるまでは、1時間毎にWi-Fi接続してるデバイスから「http://192.168.43.1」にアクセスし設定を切り替える必要がある。
「NOZOMI WiFi」はこんな人にオススメ!
ここまでNOZOMI WiFiのメリット、デメリットについて語ってきたが結局のところ、どんな人にお勧めなのか?
個人的に思いついたパターンは次の通り。
- 契約期間に縛られたくない方
- 短期出張などでネット環境が無い場所に行く方
- モバイルルーターを固定回線として使いたい方
- スマホやモバイルルーターの速度制限にうんざりしていた方
少しでも当てはまるようであれば是非、契約の方を検討してみては如何だろうか。なお、今回ご紹介させて頂いた無制限プランは限定200台と数に限りがあるのでお早めに!